差し出されたペットボトルを受け取る。


「あ、ありがとう……」


「どういたしまして。
さっきよりは落ち着いた?」


ペットボトルをギュッと両手で握って、目線は地面に落ちたまま。



「さっきよりは……まし、かな」


少しだけ嘘をついた。


今だって悝世のことが気になって仕方なくて、胸が苦しくて重いのに。



「……いいよ、嘘つかなくて。
ほんとは悝世と相手の女の子のこと気になってるでしょ?」



瑠衣くんにはぜんぶお見通しなのか、あっさり嘘をついたことがバレた。




「今回の仕事は悝世が受けるって言ったみたいだから。どういう考えがあるのかはわかんないけど、依茉ちゃんはいい気しないよね」


「っ、」



何も言えない。

瑠衣くんにはわたしが悝世のこと好きだって言ったことはないけど。


もうほぼ、気づかれてるような気がする。