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「あの、瑠衣くん…急に、その……ごめんなさい」


「いいよいいよ。俺もそろそろ帰ろうかなって思ってたし」



いま瑠衣くんとスタジオ出て、少し暗くなった道を一緒に歩いてるところ。




悝世の前でどうしたらいいのかわからなくて、とっさに瑠衣くんと帰ると言ってしまって。


帰る約束なんてしてなくて、合わせてくれるか不安だったけれど察してくれたのか、悝世に「今日は俺が依茉ちゃんのこと送って行くから」と言ってくれた。



そのあと悝世が何か言いたそうにしていたけど、休憩時間が終わってしまって、そのまま何も話すことはなかった。



やっぱり怒ってた…かな。


でも悝世だって、こんなタイミングでわたしのことスタジオに呼んで、見せつけるようなことするから。



あぁ、やだ。
思い出したら泣きそうになるなんて。