2人とも顔は見えないけど、お互いバチバチしてるような気がする。



「だから瑠衣にはカンケーないでしょ。
依茉も後ろに隠れてないで顔見せてよ」


急に名前を呼ばれてドキリとした。


今は正直悝世に顔を見られたくない。



それを瑠衣くんが察してくれたのか


悝世がわたしの顔を見ようとすれば、瑠衣くんが身体を使ってうまく隠してくれる。




「瑠衣さ。俺のこと怒らせたいの?
なに、嫌がらせ?」



「怒らせる気はないよ。
ただ、今日だけは依茉ちゃんのこと譲らないよ」



「依茉のこと譲らないって言ってる時点でイミフメーだし、キレそうなんだけど」



珍しく悝世が本気で怒ってる気がする。
だって、口調が早口で威圧的だから。



「ねー、依茉。なんで瑠衣に隠れてんの」


「っ…、」


「いま何も言わないなら撮影終わったあと帰るときに聞くから」