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そしてそのあと短い休憩時間を挟むような声が聞こえてきた。



撮影がいったん止まったから、悝世がこっちに来たらどうしようって考える。


ぜったい自然にできない。



すると、瑠衣くんがわたしを隠すように前に立った。



「いいよ、俺に隠れてて」

「っ、」



その言葉に甘えて、身を小さくして瑠衣くんの後ろに隠れていると。



「ねぇ、瑠衣。
なんで依茉のこと隠してんの?」


やっぱり悝世にはバレてて。

不機嫌そうな声で瑠衣くんに問いかけてる。



「なんでって、誰かさんが子供っぽいことして傷つけてるから」


「……は?」



「自分のほうに振り向かせたいのもわかるけど、それで相手が傷つくとかわかんない?」



「……何それ。瑠衣にいろいろ言われる筋合いないんだけど」


「そうだね。言うつもりなかったけど、今回のは悝世が悪いよ」