キスした翌日の朝。


悝世はいつもと何も変わらず平常運転。


いつもどおり甘えるだけ甘え放題で。



「んで、翌朝神崎くんはキスのことについては何も触れてこなかったと?」


「そ、そうです……」



もし起きていたのなら、悝世のことだから何か言ってくるかと思ったのに。



あまりにいつもどおりに接してくるから、わたしが夢でも見てたんじゃないかって思い始めてきて。



「はぁぁぁ。神崎くんもほんと何考えてるのかねぇ。さっぱりわからないね〜」


「やっぱり無意識……だったのかな」


「いやいや、確実に意識はあったでしょ。依茉の話聞いてる限りだと」



だとしたら、なんで何も言わずにフツーに平常運転してるのかがわかんないんだけども……っ!



わたしだけが変に意識してばかり。


おまけに、唇に残る感触がまったく消えない。