一緒に帰るんじゃないの・・・?

「アイツらと一緒に帰るわけがないだろ?
愛実は、俺と"一緒"に、"俺達"のマンションに帰るんだ」

俺達・・・?
マンション?

あたしの片手には、買ったばかりのネクタイと手帳の入った袋
もう片方の腕には、翔哉の手

「あたしは、寮に・・・」

「帰って、寝られるのか?」

え?

「お前は、俺がいなくても寝られるって言うのか」

そ、れは・・・
寝られていないのも事実だけど

「それとも、他に男がいるって言うのか」

男・・・?
ゾクっとしたあたしの体

男の人が怖いのはきっとこれからも治ることはないだろう

「それでも、俺はお前を手放せなくて
先に籍だけ入れたけどな」

「・・・っ」

「それなのに、お前は1人で寮に住むって言うしな」

ズキズキするのは、あたしの心。

「もう離さない。そう決めた。だから
寮に1人で住むことも認めないし、俺が許してやらない」

「え?」

駐車場に着くと、篠田の運転手もいない車の中に乗り込んだ翔哉

「え?どういう・・・」

あたしを助手席に。翔哉は運転席に

「へ?何で」