伊蕗にぃは、あれからピックアップしていた婚約者の方も
保留にしてくれていて

あたしは、週末だけ実家に帰るという方法を取りながら
あの寮に住んでいる。

そして学園の方も、イタリアと同じ方法で
色々な学科が取り込まれていき
あたしと芽実は、デザイン科に移動している。

他にも色々な科を入れているが、伊蕗にぃ曰く
他にも取り込んでいくらしい。
勿論、経済学科の方もイタリアと同じように取り込んでいるが
経済学科だけは、20歳まで受けられると言う話だ

「京にぃ。柚ちゃん」

「愛実か」
「愛実」

「入籍、おめでとう」

「ありがとう」

「あれから1年か」

「うん・・・」

あれから1年。
京にぃも柚ちゃんも卒業している。
勿論、翔哉も例外なく卒業している。
が、あたしは、翔哉に会いに行っていないし
会うつもりもなかったから
卒業した2人としか会っていない。

「篠田HDが急激に成長しているのは知っている
まさか、半年しないうちにあの親父を蹴落として
自分がその座に就いたのはいいが、
まさか、"名誉会長"なんて役職作ってくるとは思わなかった」

「うん・・・」

「今はその座からも下すことに苦労しているんだろう」

そっか