「”愛実。本当に帰っちゃうのかい?”」

「”うん。レイ、いろいろとありがとう”」

数か月後、愛実と俺は、空港にいた。
愛実の留学もこれで終了と言うことになる。

「”そうか。俺も、色々と楽しかったよ。”」

「”あたしも。楽しかった。この1年。レイにも
彼女にも、あたしはたくさん教えてもらうことが出来て
幸せだったよ”」

「”日本でも、幸せになるんだよ?”」

「”ありがとう”」

飛行機の中からでも、見えたレイと彼女の姿

「1年も、レイを奪っていてごめんなさいっ」

聞こえないのに、そう言うことを言う愛実は
心優しんだろう。
彼女がいると分かっていて、婚約者に選んだ愛実だ。
苦しかったに決まっている

「愛実。帰ったら、お前はまたあの学園の姫として
生活をしていくことになる。
何か要望はあるか?」

「まだ、分からない・・・
でも、こっちの学園のように、学科を増やせば
もっといろんな幅が増えるとも思った」

「そうか」

12時間以上のフライトをして、着いた日本。
良い意味で何も変わっていないのかもしれない

伊蕗sideEnd