夜遅く、あたしは京にぃの運転によって
三ツ谷の実家に来ていた
「ははっ」
帰ってきちゃった
帰ってくるつもりもなかったのに
翔哉があんなことさえしなければ
ここに来ることもなかった
「お帰りなさいませ。お嬢様」
”お嬢様”か
「伊蕗様がそのままお部屋にと」
「あ、ありがとうございます」
伊蕗にぃ
「遅かったな」
「兄貴」
「京介も、休んでいけ。これからのことについて
話したい。」
「あぁ」
「愛実も、部屋はそのままにしてある。ゆっくり休め」
「うん。ありがとう」
部屋に戻ってきたあたし。
あの学園に入学したときには
まさか、実家に帰ってくるなんて思わなかったけど
「何も、変わってない」
変えないでいてくれたの・・・?
いつ、戻ってくるか、分からないのに
「入るぞ」



