私とあなたの  ラブシークレット    ~番外編~


あたしが、ここで学びたいと言えば
伊蕗にぃは学ばせてくれるのだろう

「愛実」

「あたしは、ここでも婚約者がいるの?」

「まだ決めていない」

決めていない?

「ただな。愛実。翔哉との婚約は破棄されているし
日本のあの学園では、婚約者なしの愛実を狙うものも出てくるだろう」

ズキズキと痛むこの胸の痛みはいつかは取れるのだろうか?

「ただな。俺としてはお前に婚約者をつけたいと考えている」

新しい・・・婚約者・・・かぁ
そしたら、この胸の痛みもとれるかなぁ・・・

「わか・・・った」

「愛実?」

「伊蕗にぃの判断に任せるよ」

どうせ、あたしは翔哉の元には戻れないのなら
新しい婚約者が出来ても翔哉には
もう、関係のないことなんだ・・・

「分かった」

後者の中に入っていく伊蕗にぃの後を追って
室内に入ると、クラスというよりは
広いお屋敷の中にいるような感じだ

何の躊躇もなく、理事長室の中に入っていく
伊蕗にぃに付いて入った理事長室の中は
日本の三ツ谷家の伊蕗にぃの書斎と何ら変わりはしない

「”伊蕗様。遠路はるばるようこそお越しくださいました。
横にいらっしゃる方は、妹の愛実様でよろしいですか”」

「”あぁ。急ですまないが、愛実をこの学園に編入させる。
日本の学園に居たんだ。大丈夫だろう”」

「”さようでございましたか。では、学科はどういたしましょう”」

「”デザイン科だ”」

伊蕗にぃと男の人たちの会話に付いていけない、あたしにとっては
蚊帳の外状態だ。

「”それと、日本人の婚約者をつける。候補を集めてくれ”」

「”畏まりました。伊蕗様。同じ時期ですが、篠田という男がいますが”」

「”そいつは論外だ”」

「”承知いたしました”」

「愛実?」

やっとこちらを見てくれた伊蕗にぃ