翌日、早朝の便でイタリアに伊蕗にぃと飛んだ。
どうやら翔哉は次の便らしい。

「ね、ねぇ。なんでこんな早朝の便なの?」

「イタリアについたら分かる」

へ?イタリアについたらってどういう事?

レオナルド・・・?どっかで聞いた・・・


「愛実。挙動不審だと怪しまれるぞ?」

そう言ってくれる伊蕗にぃ

「俺たちが行く空港はレオナルド・ダ・ヴィンチ国際空港。
そこに、お前の新しい婚約者に来てもらう手はずになっている」

へ?
もう、手配していたの?

「一応、まだ、候補に挙がっただけだ。
だが、これから、本決めするんだ」

そっか・・・

「もし、あたしが、フリじゃなくてもいいって言えるように
なったら、正式に婚約することになるの・・・?」

「あぁ。”そうなる”な。だが、それはお前が決めることだ。
無理だと思ったら、フリとは言え、日本に俺が戻す手続きをしてやる」

「うん」