暫くして、2人に見られたまま食べ終わったパンケーキ
「お嬢様。伊蕗様が書斎に来るようにと」
「分かりました」
食器を片付けてから行こうとしたときに
「ここは、あたしたちがいるからいいわ。
伊蕗の所へ行って来てくれる?」
「はい」
書斎へ向かう途中ですら
何を言われるか分からなくて、怖くなる。
伊蕗にぃや、京にぃが、怖いわけじゃない。
これから言われる言葉が怖いのだ
コンコン
「伊蕗様。愛実様をお連れ致しました」
「愛実だけ入れて下がっていろ」
「畏まりました」
それだけ言うと、執事長の牧さんは下がってしまった
「愛実」
「い、ぶきにぃ」
「翔哉と愛実の婚約破棄を正式に決定した」
「・・・っ」
翔哉の別れが嘘だと言ってほしかった
婚約破棄なんてしないと。そう言ってほしかった
「愛実?」
「嘘じゃ、ない・・・の?」
「あぁ。嘘でもなければ、冗談でもない。
この婚約破棄は、篠田の方から俺に言ってきた」
「ふぇっ」
「愛実。辛いのは分かる。
篠田と顔を合わせにくくなることも十分承知だ。
だがな?篠田も好きでお前に別れを告げて
婚約破棄をしたわけじゃないって分かってくれ」
何・・・それ・・・
「だったら!」



