昼食にパンケーキを焼いてくれたみのりさん。
三ツ谷のこの家には、ちゃんとしたシェフもいると言うのに
みのりさんは、料理は自分でしているんだからすごいと思う
「はい。どうぞ」
「あ、ありがとうございます」
「いいのよ。あたしにとっては、愛実ちゃんは妹だもの」
妹・・・そう思ってくれてるんだ
「お帰りなさいませ。伊蕗様。
おや、今日は京介様と柚様もご一緒なのですね」
「あぁ。愛実は」
「少し前に起きられてございます。
今は、お食事中でございます」
「そうか。食べ終わったら、話があると
俺の書斎に来るように伝えてくれ」
ここにいるから、聞こえてるのに、
”伝えてくれ”だなんて、やっぱり、伊蕗にぃらしい
「ゆっくり食べなさい。伊蕗達は待たせればいいんだから」
でも・・・
「まーなみ」
「柚ちゃん・・・」
「ゆっくり食べなよ。そんなにあわてた用事じゃないんだから」
慌てた用事じゃない?
それって一体・・・
「柚ちゃんも食べる?」
「これは、愛実の。
それに、あたしがあまり甘いものを食べないことを知っているでしょう?」
そうだった



