「愛実ちゃんの悪い癖は、そうやってすぐにため込むこと」
溜め込むこと・・・?
「だからこそ、伊蕗は今日、愛実ちゃんを休ませたんだから」
「はい・・・」
「どうして、翔哉君が愛実ちゃんとの婚約を破棄したのか
きっと、あの2人が問いただすと思うから」
お兄ちゃん達・・・か・・・
「基本、学園で決めた婚約は破棄できないはずなのに
彼はそれをしたんだから、それなりの理由があると思うの」
それなりの理由・・・?
「それで、破棄をさせるかどうするかは伊蕗が決めることだもの。
愛実ちゃんはそれに従わなくちゃいけなくなる」
あたしは、それに従うしかないんだ・・・
「でも、伊蕗は同じ系列の学校に
転校させてもいいと思っているのかもしれない」
同じ学校の・・・系列?
「まぁ、しばらく待ちましょう。
パンケーキでも食べて、紅茶でも飲んで、リラックスすれば
少しは落ち着くと思うわ」
「はい」
「それと、お義父様たちの耳に入ることも覚悟しておいてね」
パパたちに?
どうして?どうして、パパたちの耳にも入ることになるの?



