「俺の所に愛実が来た形跡があるのに
どこにもいねぇんだよ」

「へー。なら、寮にでも帰ってんじゃねぇのか?
兄貴の所にもいねぇぞ」

「くそっ」

「第一、なんで愛実はいなくなったんだよ?」

「知らねぇ」

「そうか。俺も探しておく。
ここにはいねぇよ」

「分かった」

それだけ言うと玄関が閉まって
チラッと覗くと出て行ったのがわかる

「翔哉っ」

本当は、一目だけでも会いたかった
抱きしめて欲しかった

翔哉のそばを離れたのは、あたしなのに
翔哉のそばにいたいと願ってしまう

「愛実」

「京にぃ」

あたしは、間違っているの・・・?

「なぁ、翔哉が本当に女と一緒に居たのか?」

「い、いたよ。」

スマホで撮っておいた写真を京にぃに見せた

「あー。これは、翔哉もお手上げかもな」

「え?」

「まーちゃ?あしょぼー」

「京香。愛実はパパとお話し中。
後でな?後で、うんと遊んで、風呂も一緒だ」

「やぁの」

「京香。愛実に嫌われるぞ?」

「やっ」

「じゃあ、ママの所に行っててくれるか?」

「あい」

「この写真を俺の所に送っておけよ?
後、兄貴にも」

伊蕗にぃにも?