「悪い。ここじゃ、目立つな」
そういって連れてこられたのは
「この、車」
「あぁ。こっちで急遽借りた」
急遽借りたって
それでも、フェラーリなんて、早々借りられるもんじゃ
「お前に、そう、何度も逃げられてたまるか」
「え?」
グイッと引っ張られた左手の薬指にはめられた指輪
「これ」
それは真ん中に、小さくもなく大きくもない
3つの宝石が入ってて
しかも、それが、ハートの形をしていた
「俺から、お前に渡したかった卒業祝いと
俺からの予約」
予約・・・?
だって、あの女の人は・・・
裸で一緒に寝てたってことは、そういう事でしょう・・・?
「で?さっきの男は何?」
さっきの、男・・・?
「ローレンの事?」
「愛実から他の男の名前なんて聞きたくもなかったけどな」
自分から聞いてきたんじゃん
「こっちでできた最初の友達。
言っておくけど、ローレンには彼女がいるからね?」
「向こうに女がいても、いくつも作れんだよ」
へー
「それは、翔哉みたいだね?」
「あ?」



