あれから来たのは、育ての親のいるアメリカではなく
翔哉と結婚したら来たいねって言っていた、イタリア
今日は、こっちでの学校最終日
きっと、翔哉は気づいていないだろう
あたしが、ここにいるなんて
「愛実」
「ローレン」
「僕たちも、卒業だね」
「うん。そうね」
ローレンは、イタリアに来て最初にできた友人
そして、これからは、専門学生になると言っていた
「愛実はこれからどうするの?」
「そうね」
きっと、日本に帰ったら違う人との婚約が待ち受けているかもしれない
「まだ、決まって」
「お前は、俺と結婚すんだろうが」
え?
「おー。愛実。彼は一体」
「あ?愛実の名前を気安く呼んでんじゃねぇ」
翔哉・・・?
「愛実は、俺の”婚約者”だ」
「!?」
嘘っ
だって、伊蕗にぃが破棄したって
次の候補が出てきているって
「そうか。愛実。幸せに」
そう言って帰っていったローレン
っていうか
「なんで、ここにいるの?」
「馬鹿野郎!”なんで、ここにいるの?”じゃねぇ」
ビク



