「社長?」
「市村。仕事、調節できるか?」
「何を」
「海外に迎えに行かなくちゃ行けねぇ用事が急遽入った」
そう言えばわかんだろ?
「例の彼女ですか?」
「あぁ」
「分かりました。では
この案件は、副社長に回しておきます」
「助かる。それと、例の女はどうだ?」
「口を割らなかったようですね」
口を割らなかったか
「アイツの会社との提携を打ち切れ」
どうやって、俺の部屋に入ってきたかすらわかんねぇ
「分かりました」
アイツとの会社の提携を切ったところで、俺達には
関係ねぇ。むしろ、業績もよくなるかもしれねぇ
「悪いな」
ガタッ
と立ち上がった俺と
書類を持って出て行く有能な俺の秘書
「頼むから、誰のものにもなってないでくれよ?」
この独り言は、静まり返った社長室周辺に消されてしまった
~翔哉sideEnd~



