『あのさ、お父さん、』

家族揃った食事中におずおずと口を開く。

『私、友達と一緒に高野塾に入りたいんだけど。いい?』

家族みんながものすごくびっくりした顔で見る。

『受験以来死んでも勉強しないのかと思ってた…』

んな失礼な。
お母さんの言葉に心の中でつっこむ。

『優茉ちゃん、すごいねー!』

うっさいわ。なんかイラつく。
颯太の声にまた心の中で悪態をつく。


『いいぞ。好きなだけ勉強しなさい。友達との方がやる気も出るもんな。』


びっくりした。そんな秒で決まるとは思ってなかったから。

『…うん』
驚きを隠せないまま、うなづいた。
それから、頑張ろうとも思った。