信じられないよ。


あの女性は誰なんだ?


姉さんとは、全く違うタイプだった。


ユウ達には申し訳なかったけど、目の前の2人の会話が、僕には何も入って来なかった...


『ごめん、ユウ。実は、ちょっと体調が悪いんだ』


思わず、嘘を、ついた。


『え!大丈夫ですか?』


彼女が、心配そうに言ってくれた。


『大丈夫なんだけど、今日は帰るよ、本当、ごめん』


そう言って、僕は、すぐに店を出た。


ユウ、ごめんな。


お前の顔を潰してしまったな。


ユウのことだから、今は、彼女のことをなぐさめてくれてるだろう。


本当に悪い…


でも、今日は、許して欲しい。


僕は、頭を、兄さんのことに完全に切り替えた。


調べないと...


探偵にでもなったつもりか、僕は、もう全く姿が見えなくなった兄さん達を探した。


むやみに探し回っても、簡単に見つかるはずないのに…