4限目の授業が終わって、横浜に向かう健吾と絵里加。

仲間達に見送られて、幸せな笑顔で手を振る。
 

「絵里加、いっぱいプレゼントもらっていたね。」

夕方の電車は 少し混んでいて 二人はドアの隅に立つ。
 
「うん。全部可愛いの。絵里加の好みを みんな知っているから。」

絵里加は、満足そうに微笑む。
 

「長い付き合いだからね。」健吾は頷く。
 
「ケンケンもね。」

笑顔の絵里加に見つめられると、健吾はフッと笑ってしまう。

幸せ過ぎて。この笑顔を 何年も待っていたから。
 


みなとみらい駅で降りると 健吾はランドマークタワーに向かう。

まだ5時過ぎで、食事の予約までは 時間がある。
 

「絵里加、指輪をプレゼントさせて。一緒に選びたいから サプライズじゃなくて ごめんね。」と健吾は言った。
 
「嬉しい。でも、いいの?」

絵里加は泣き笑いのような顔になる。
 

「婚約指輪は まだ先だけど。でも、俺の指輪をしてほしいから。」

健吾の腕にしがみ付く絵里加は 潤んだ目で頷く。