絵里加の20才の誕生日。

健吾と二人、授業が終わった後で食事をする。
 
「絵里加、誕生日の食事、どこがいい?」健吾に聞かれて、

「それなら 絵里加、行きたい所があるの。」絵里加は遠慮がちに言う。
 
「どこ?言ってみて。」健吾は優しく言う。
 

「横浜のホテル。絵里加のパパとママの、思い出のホテルなの。」

絵里加は、両親の結婚記念日に 家族で食事をしたことを話す。
 

「素敵だね。俺達も そこに行こう。予約しておくね。」

健吾は、笑顔で言ってくれた。
 

大学から横浜までは、20分足らず。

授業が休講になると、みんなで中華料理を食べに行くこともある。


絵里加達の大学生には、馴染んだ場所だった。