軽井沢から帰った翌日に 絵里加も 健吾の家に行って ご両親に挨拶をした。


健吾のお母様は、小学生の時に会ったことがある。

穏やかな、優しいお母様。


初めて会うお父様は、健吾に似た朗らかな方で。

二人とも 絵里加を温かく 迎えてくれた。
 

「二人とも、大学生だから。学校はちゃんと卒業してね。」

お母様に言われ、絵里加は頬を染めてしまう。
 
「当たり前でしょう。ちゃんとした付き合いだから。でなきゃ紹介しないよ。」

健吾の言葉に、お母様はほっとした顔で頷く。
 

「健吾が、こんなに面食いだとは思わなかったね。」

お父様とお母様が、顔を見合わせて笑う。絵里加は“そんな”と言って、顔の前で手を振る。
 
「やめてよ。絵里加が困っているよ。」

健吾も照れて、顔を赤らめる。
 

健吾の両親も、絵里加に安心していた。

同じような家庭環境の絵里加だから。


小学校から一緒で、絵里加の両親のことも知っているから。


とても好意的に受け入れてもらえる。



しばらく、絵里加の家のことや、学校のことを話し、
 
「そろそろ、失礼しないと。すっかり長居してしまって。」と絵里加は健吾を見る。


「いつも健吾がお邪魔して、ご飯まで頂いているみたいで。絵里ちゃんも もっと うちに遊びに来てね。」

帰り際、お母様が言ってくれる。
 
「はい。ありがとうございます。」絵里加も笑顔で答える。


母は、父の両親と とても仲良くしている。

伯父様も父の兄弟。


そんな母を見てきた絵里加だから、健吾の家族と仲良くしたいと思う。