5月の軽井沢は 健吾と絵里加の愛を さらに温かく包む。


お祖父様、お祖母様、伯父様一家、そして絵里加の一家。

まるで敵陣に丸腰で乗り込むような健吾。

でも健吾には、絵里加への愛という武器があるから 少しも怖いとは思わない。


むしろ 家族に受け入れられる 喜びの方が、大きい。
 

それに、家族といる絵里加を見ることは 新鮮だった。

学校で見る絵里加よりも、少し幼い甘えん坊。

でも人として大切な部分や 思いやりは 家族といても手を抜かない。


気配りがきちんとできるのは この家族で育ったからだと思った。
 

絵里加を、素直で優しい女の子に育てた家族だから 素敵な家族に違いないと健吾は思っていた。


絵里加の両親は、とても素敵な人達だったから。

絵里加を、家族と同じように守るために。

健吾は、絵里加の家族を もっと知りたいと思った。