大学2年になり、6月には20才になる。

ずっと仲良くしている亜弥達とは、もう14年の付き合いだった。

家庭環境も近いし、お互いを理解し合っているから 信用できる。

一緒にいて、とても落ち着く。
 


華やかな絵里加に、近付いてくる友達はたくさんいた。

でも絵里加は失礼にならない程度の距離を保っていた。

亜弥達とのように、気を許すことはできなかった。
 


「外部生って、ちょっと怖いの。すごくグイグイ来るでしょう。」

絵里加が言うと、陽子も頷く。
 
「本当、積極的だよね。お互いまだそこまで知らないのに、っていつも思うわ。」
 
「私達、臆病過ぎるのかな。このままじゃ本当に、彼なんてできないね。」

ひとみも苦笑する。しょんぼりと俯いて。
 

「いいじゃない。無理に作らなくても。いつか、好きな人ができたら 頑張れば。」

亜弥が、気分を変えるように明るく言う。
 
「亜弥の王子様発言。本当に、そんな人と出会えるのかな。私、お婆さんになっちゃうかもしれない。」

陽子の言葉に、みんな笑うけれど 少しハッとしていた。