《絵里加、連休は予定ある?》

健吾からLINEで聞かれる。
 
《後半は、家族と軽井沢に行くよ》

絵里加の胸が鳴る。健吾に誘われる予感に。
 
《前半はフリーなの?二人で出かけよう》

自分でも驚くほど、胸が弾む。
 

《いいよ。どこに行く?》

絵里加の返信に万歳をしたスタンプが届く。
 

《ベタだけど海とか。絵里加、行きたい所ある?》

突然だから 絵里加は何も 思いつかない。
 

《海、いいね。まだ入れないけど》
 

《潮干狩りしちゃう?》

笑顔の絵文字に、絵里加は微笑む。

そんな所は、昔の冗談好きの健吾だから。
 

《いっぱい捕って、売ろうか》

絵里加も冗談で返すと
 

《可愛い》

健吾の心が、ポロリとこぼれて絵里加の胸を熱くする。

初めてだから。

リズミカルな返信を、止めたくなくて絵里加はスタンプを返す。


照れて俯くウサギ。
 
《行先、考えておくね》

との健吾に、おやすみを送る絵里加。


確かな恋の始まり。