健吾と絵里加の結婚式には 幼稚舎時代の担任教師と舎長先生を招待した。

招待客が二百人を超える盛大な結婚式。

二人は招待状を持って 小学校に出向き 先生方にご挨拶をした。
 

「絵里加を射止めたのが、ケンケンだったとはね。」

二人を担任した男性教師は 意外そうに言った。

「絵里加は、ちゃんと本質を見極めたね。ケンケンなら大丈夫。絵里加を大切にしてくれるよ。」

と絵里加に言った。
 

「ケンケンも、絵里加に選ばれたことは、誇りだよ。自信を持って これからの人生を生きていきなさい。」

と健吾に言った。

二人は喜びに顔を見合わせた。

親と同じくらいの時間を一緒に過ごし 二人の成長を見守ってくれた先生だから。
 

舎長先生には 主賓スピーチをお願いした。

先生は快諾して、
 

「あの腕白な間宮くんが、絵里加さんと結婚するとはね。」

と笑った。


「絵里加さんは、天使の様な生徒でした。長い教師生活のなかでも、あなたのような澄んだ心の生徒は、珍しかった。間宮くんは、責任感の強い真っ直ぐな心を持っています。絵里加さんは、良いパートナーを選びましたよ。」

と二人に言ってくれた。