9月末に 絵里加が振袖の写真撮影をした時には 健吾の家族も呼んで 賑やかな家族写真を撮った。
 

「こんな可愛い絵里ちゃんを こんなに早く嫁がせることに賛成して頂いて。」

と健吾の母は涙汲んだ。

絵里加の母も目を潤ませて、
 

「こちらこそ。ケンケンみたいな優しい子に選んで頂けて 絵里加は幸せです。」と答える。
 
「絵里ちゃんは 我が子と同じです。健吾で不足する部分は 私達が補います。」

健吾の父も 温かく言う。
 
「絵里加は幸せだね。こんなに大切にしてもらえて。」

父の言葉に、絵里加は頷き
 

「絵里加達、いっぱい親孝行ができるような りっぱな大人になるからね。」と言う。
 

まだ成人式さえ終えてない二人だから。

今の純粋な気持ちを失わず ゆっくり成長すればいい。


足元に転がる石は できる限り取り除いてあげるから。

汚れたり 傷ついたりしないで 何の曇りもないまま大人になってほしい。


それが親達の思いだった。