「壮馬、もう学部決めたの?」

来春 大学に進学する壮馬に 健吾が聞く。

「うん。理工学部。」

壮馬は笑顔で答える。

成績の良い壮馬は 問題なく希望の学部に入学できるだろう。
 
「へえ。壮馬って理系なんだ。」

健吾が意外そうに聞くと、
 

「俺、タッ君パパに似たの。」壮馬も言う。
 
「壮馬のパパも、数字に強いからね。専攻は 機械工学だよね。」

と伯父様が言う。頷く壮馬に、
 

「壮馬は、俺の代わりに 会社を伸ばしてくれるんだよ。おかげで、俺は夢を叶えられるんだ。」

翔君に言われて 壮馬は嬉しそうな笑顔になる。
 

「お兄さん、いいな。信頼できるブレーンがいて。」


健吾は樹君に言う。

健吾の言葉は みんなの心を温かくする。
 

「でしょう。困った時は相談して。壮馬を貸し出すから。」

樹君は笑顔で言う。

壮馬も得意気な笑顔になる。