軽井沢に入ってから 絵里加の大好きなパスタを食べて 二人は別荘に着いた。

まだ日が高い時間。

別荘では お祖母様と伯母様と母の3人が 庭でお茶を飲んでいた。
 

「あら、絵里ちゃん。どうしたの、急に。」

車から降りた絵里加に 母が驚いて言う。
 

「絵里加が“ ママ、ママ” って泣くので。連れて来ました。」

健吾の冗談に、
 
「止めてよ、ケンケン。ママ、本気にするから。」

絵里加は慌てて 止める。
 

「東京、暑くて。どこにも行けないから。」

絵里加は照れた顔で笑う。

お祖母様も伯母様も 二人を喜んで迎える。
 

「絵里ちゃんが居なくて、つまらなかったわよ。」

と言うお祖母様に

「家の戸締りは、大丈夫?」

と母は 現実的なことを言う。
 
「軽井沢は涼しいね。」

絵里加は 健吾を見つめて言う。
 

「ケンケン、来てくれてありがとう。絵里加 我がまま言って 困らせなかった?」と母は言う。
 
「美味しい料理 作ってもらいました。」健吾も 少し照れて言う。
 

「パパ達、また釣りに行っているのよ。絵里ちゃん達見たら 驚くわ。」

嬉しそうな みんなの笑顔を 健吾はとても嬉しく思っていた。