健吾と 絵里加の家で留守番することは 昨夜、父にも承諾してもらった。

健吾に伝えると
 

「本当に?俺、今夜から眠れないかも。」

と電話口で歓声を上げた。
 

グアム旅行や 健吾が泊まることを許す両親は 二人が結ばれたことを知っている。

いくら仲の良い家族でも そこに触れることはできない。


ただ、父は一言、
 

「まだ大学があるんだから。子供だけは 気を付けなさい。」と言った。
 

認められた喜びと 許された責任。

健吾も絵里加も、その重みを噛みしめていた。