翌日は、健吾達四人と絵里加達四人で、海水浴に行く。

健吾の車に、絵里加と啓太と陽子が乗り。

裕介の車に真也と亜弥とひとみが乗る。


ルートで割り振った配車だけれど、健吾の車の後部シートで 啓太と陽子は 良い雰囲気になっていた。


「健吾、俺達、付き合い始めたよ。」

いきなり啓太が言う。
 

「えー。陽子、本当に?」

絵里加が驚いた声で言う。
 

「絵里加達、旅行中だったから。報告が遅れたけど。よろしくね。」

陽子は、少し照れて言う。
 

「よかったな、啓太。」健吾は笑顔で言う。
 
「うん。でも、ちょっと意外。いつから付き合い始めたの?」


絵里加は聞いてしまう。
 
「試験が終わった後だよね。」

陽子を見ながら言う啓太。甘い空気が流れる。
 

「啓太もやっと、失恋から立ち直ったの。」

陽子の言葉に、絵里加は、
 


「啓太、二股じゃない。誰に失恋したの。」

と聞いてしまう。

陽子は 啓太と顔を見合わせて 呆れた声で言う。
 

「絵里加に決まっているでしょう。もう。」

と言った。健吾は、声を出して笑う。
 

「ほとんどの男子は、絵里加に失恋したよね、俺のせいで。」

と余裕の声で言う。