賑やかに入ってきたお祖母様と伯母様も、絵里加を見て 言葉が途切れる。
 

「お祖母様、どう?似合う?」

はにかんで言う絵里加。
 
「絵里ちゃん、とっても綺麗よ。よく似合うわ。」
 
「本当。素敵よ、絵里ちゃん。」

と二人共、込み上げる思いを抑えて言う。
 

「嬉しい。みんなが絵里加の為に考えてくれた柄だから。絵里加、似合わなかったらどうしようって思ったの。」


絵里加の笑顔は、着物よりも美しい。
 
「絵里ちゃん、本当に優しい子ね。」

お祖母様が言う。



絵里加は小さく笑って、

「ううん。みんな、ありがとう。絵里加、ずっと大切にするね。」と言った。
 


「早くスタジオ予約して、写真を撮りましょうね。」伯母様が言う。
 

「久しぶりに、家族写真も撮ろうよ。」

絵里加の提案に、賑やかな笑いが戻る。