試験が終わった翌日の土曜日 絵里加と両親は 健吾の家に行く。

二人の将来について健吾のお父様は、絵里加の両親に話してくれる。
 

「最初は、二人が卒業して二、三年働いてからと思っていたのですが。何度か絵里ちゃんと会ううちに、健吾だけじゃなくて 私達も待てなくなってしまって。」

健吾のお父様はとても嬉しい言葉を言ってくれた。
 
「それは、うちも同じです。ケンケン以外に 絵里加を任せる気には なれません。」

父も母も、健吾をとても信頼していたから。
 

「健吾から、絵里ちゃんとこの家に住むつもりだって聞いて 私達 感動しました。そんな絵里ちゃんだから、何をしても惜しくないと思えます。」

お父様の言葉に、お母様も頷いてくれる。
 
「いいえ。まだ何もできない世間知らずです。近くに置いて 色々教えて頂いた方がいいのではありませんか。」

健吾の両親になら、絵里加を託すことに不安はない。
 

「この家は、作りが古いので。色々、不便ですから。健吾達は、二人で一から築いた方が むしろ勉強になるでしょう。」



一から築くと言っても、土台を与えるのは親だから。

やっぱり二人は、特別だった。