熱海温泉 つくも神様のお宿で花嫁修業いたします

 

「……おい、どうした?」

「い、いえ……っ! ああー、このロールケーキと紅茶、最高に美味しい! これなら何個でも食べられそう!!」


 白々しくそう言って、ロールケーキを口いっぱいに頬張った花は、ニッコリと笑ってみせた。

 そんな花を相変わらず八雲は不思議そうに見ていたが、それ以上何を言うでもなく甘酒のカップに口をつけた。



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「そろそろ帰るか」


 花がロールケーキと紅茶を飲み終え、お手洗いから帰ってきたところで八雲がそう言って席を立った。

 まだ陽は高く上がっているが、明日も宿泊の予約があるためこれ以上の長居は難しい。