「でも、なんで青橙なんだろう……」
思わず花が呟くと、花の様子を見ていた八雲が静かに口を開いた。
「熱海は、だいだいの生産量が日本一なんだよ」
「だいだいの生産量が日本一⁉ って、普通にすごくないですか!? 知りませんでした!」
だから、茶寮の店内でだいだいのジャムも売っていたんだ……と、改めて気がついた花は、もう一口、青橙入り紅茶を口に含んだ。
「はぁ……美味しい……」
「……足はどうだ?」
「え?」
そのとき、不意に八雲が花に尋ねた。
弾かれたように顔を上げた花はなんのことかわからず、首を傾げて八雲を見つめる。



