(ここに来た日も、引越し屋が来るのが遅れたせいで、熱海観光も全然できなかったんだよね) せっかくの観光地に来ているというのに、花は旅行気分も味わえないまま今に至る。 「こんなことになるくらいなら、せめて熱海観光くらいしたかったな……」 「それなら、熱海観光すればええ!」 そのとき、突然花の目の前で、ポンっ!と白い煙が弾けた。 「え……。ひっ、わぁ……っ!?」 思わず後ろにひっくり返りそうになった花は既のところで踏みとどまると、バクバク高鳴る胸の鼓動に手を当てる。