そんな他愛もない会話を繰り返している内に病院に到着した。受付を済ませ、病室に向かおうとした時に、鞄の中の自分の携帯が着信のバイブで震えた。

着信相手はunisonのマネージャーの砂川沙和さんからだった。unisonのプロデューサーである砂川さんと苗字が同じなのは偶然ではなく、砂川さんの親戚だからなのだそうだ。

そういえば、もう一人のunisonのメンバーであった今後の千葉隼人の活動について芝波社長に話したい事があると連絡を受けていたんだっけ。


「仕事の電話?」

「あ…はい。先に病室に行っておいて貰えますか?」

そう言って、私は電話をとるために病院のエントランスに向かう。

電話の内容は芝波社長への面会時間の調整だった。芝波社長の面会可能な時間を伝え、いくらか話をしてから電話を終えた。