京が撃たれ、意識を手放してから程なくして、沢山の警察と羽水社長と早瀬さんが駆けつけてくれた。

倉掛宗次郎は現行犯逮捕され、京は直ぐに病院に救急車で運ばれた。



「京…京…京……」



早瀬さんに肩を抱かれながら、私は開きっぱなしの蛇口のように涙を流し続け、救急車の中で私は壊れたように京の名前を呼び続けた。



私だ───私のせいだ、全部。


私が、私が京の言う事を聞かなかったから。
約束を守らなかったから。

あの時、部屋の鍵を開けたから。

あれだけ気を付けろと京に言われていたのに、倉掛君の事を疑わなかったから。

あの時、大きな声を出せなかったから。


私が…私なんかが京に出逢わなければ、京はこんな目に遭わなくて済んだのに。








全部、私のせいだ。