「多分、情報が漏れるのを防ぐために自害したんだろう。相手の目論見通り全部焼けた。だが、ジョンが手がかりを残してくれていたんだ」
「手がかりとは?」
尋ねたユリウスに、ライルは懐から血で汚れた紙切れを取り出した。
「森の中に落ちていたジョンの鞄に入っていた。多分、見つからないように投げたんだろう」
ライルから紙切れを受け取り、メアリはそっと広げる。
【ライルへ】
【アクアルーナ】
【王都】
【可能性あり】
【順次入国】
文章にはなっておらず走り書いた文字ではあるが、確かにそう読み取れた。
「ジョンさんの恋人は?」
「残念ながら見つかっていない。というわけで、外交がてら誘拐犯たちとジョンの恋人を探しにきてるってわけだ」
もちろん、フォレスタット女王陛下の許可は得ているとのことで、メアリは「そうだったんですね」と、気遣いの微笑みと共に紙切れをライルに返す。
「今のところ、誘拐や失踪者について特に目立った報告はされていないけれど、オースティン騎士団長にも確認してみますね」
「ありがたい。まあ、ランベルト大侯爵殿のところに入っていた男があの夜の人物であっても失踪事件とは関係ないかもしれないが、今後も共有はさせてもらうよ」
「助かります。こちらでも失踪した方を捜索できるよう、後ほどイアンたちと相談しますね」
「感謝しますよ、陛下。ああ、そうだ。白夜の神殿の件、そろそろ知らせが届く頃だと思うから、また近々会いに来させてもらいます。では、俺はこれで。行くぞフィーユ」
「キュウッ」
「手がかりとは?」
尋ねたユリウスに、ライルは懐から血で汚れた紙切れを取り出した。
「森の中に落ちていたジョンの鞄に入っていた。多分、見つからないように投げたんだろう」
ライルから紙切れを受け取り、メアリはそっと広げる。
【ライルへ】
【アクアルーナ】
【王都】
【可能性あり】
【順次入国】
文章にはなっておらず走り書いた文字ではあるが、確かにそう読み取れた。
「ジョンさんの恋人は?」
「残念ながら見つかっていない。というわけで、外交がてら誘拐犯たちとジョンの恋人を探しにきてるってわけだ」
もちろん、フォレスタット女王陛下の許可は得ているとのことで、メアリは「そうだったんですね」と、気遣いの微笑みと共に紙切れをライルに返す。
「今のところ、誘拐や失踪者について特に目立った報告はされていないけれど、オースティン騎士団長にも確認してみますね」
「ありがたい。まあ、ランベルト大侯爵殿のところに入っていた男があの夜の人物であっても失踪事件とは関係ないかもしれないが、今後も共有はさせてもらうよ」
「助かります。こちらでも失踪した方を捜索できるよう、後ほどイアンたちと相談しますね」
「感謝しますよ、陛下。ああ、そうだ。白夜の神殿の件、そろそろ知らせが届く頃だと思うから、また近々会いに来させてもらいます。では、俺はこれで。行くぞフィーユ」
「キュウッ」



