「あの夜はうまく巻かれてしまったが、見失った近辺を部下と共に探っていたら、似た背格好の者がある屋敷に入っていたのを見つけてね」
「ある屋敷?」
メアリが聞き返すと、ライルはひとつ頷いて意味深に微笑む。
「ランベルト大侯爵だ」
その名に、メアリとユリウスは眉を顰めた。
「もちろん、あの男だとは限らないが、俺が別命で追っているやつらである可能性もあってね」
「別命ですか?」
どんなものであるのか尋ねていいのかわからず、聞き返すだけに止めたメアリに、ライルは隠すことなく説明する。
「ああ、実はフォレスタットでは人が攫われる事件が増えているんだ。しかし、なかなかすばしっこいやつらで、捕らえられずに歯がゆい思いをさせられているんだ」
実は、メアリとユリウスのピンチに現れたのも、手がかりを求めて街を捜索していたのだとライルは続けて語った。
「教えてくださってありがとうございます。でも、なぜアクアルーナで手がかりを?」
「そうだな。まずは順を追って説明しようか」
豪華な装飾が施された手すりに寄りかかるライル。
「ある屋敷?」
メアリが聞き返すと、ライルはひとつ頷いて意味深に微笑む。
「ランベルト大侯爵だ」
その名に、メアリとユリウスは眉を顰めた。
「もちろん、あの男だとは限らないが、俺が別命で追っているやつらである可能性もあってね」
「別命ですか?」
どんなものであるのか尋ねていいのかわからず、聞き返すだけに止めたメアリに、ライルは隠すことなく説明する。
「ああ、実はフォレスタットでは人が攫われる事件が増えているんだ。しかし、なかなかすばしっこいやつらで、捕らえられずに歯がゆい思いをさせられているんだ」
実は、メアリとユリウスのピンチに現れたのも、手がかりを求めて街を捜索していたのだとライルは続けて語った。
「教えてくださってありがとうございます。でも、なぜアクアルーナで手がかりを?」
「そうだな。まずは順を追って説明しようか」
豪華な装飾が施された手すりに寄りかかるライル。



