前菜を堪能したメアリが水の入ったグラスを手にすると、香り高い上物の赤ワインをお替りしたライルが「ところでメアリ女王陛下」と声をかける。
「あなたを守っていたあの騎士は?」
「え?」
「てっきりこの晩餐会でもあなたを近くで守っていると思ったんだが」
どうやらライルが指すのはユリウスのことらしい。
理解したメアリは、大広間の壁沿いに姿勢よく立って警備している近衛騎士たちを見た。
今夜は各部隊に別れて警備にあたっており、大広間にはオースティンとユリウスが率いる第三部隊が対応している。
「ユリウスなら、あそこに」
「ユリウス……?」
メアリが教えた方向に視線をやって、ライルは「なるほど」と二度、首を縦に揺らした。
「彼が白銀の騎士で、ヴラフォスの……。はてさて、彼は俺のライバルか否か」
独り言にも似たライルの声は、メアリには届いていない。
ユリウスが、ランベルトの娘ヴェロニカと何やら楽しそうに話しているからだ。
「あなたを守っていたあの騎士は?」
「え?」
「てっきりこの晩餐会でもあなたを近くで守っていると思ったんだが」
どうやらライルが指すのはユリウスのことらしい。
理解したメアリは、大広間の壁沿いに姿勢よく立って警備している近衛騎士たちを見た。
今夜は各部隊に別れて警備にあたっており、大広間にはオースティンとユリウスが率いる第三部隊が対応している。
「ユリウスなら、あそこに」
「ユリウス……?」
メアリが教えた方向に視線をやって、ライルは「なるほど」と二度、首を縦に揺らした。
「彼が白銀の騎士で、ヴラフォスの……。はてさて、彼は俺のライバルか否か」
独り言にも似たライルの声は、メアリには届いていない。
ユリウスが、ランベルトの娘ヴェロニカと何やら楽しそうに話しているからだ。



