そんなメアリの後ろ姿を、地図から顔を上げたユリウスの瞳が捉える。
メアリは今自分の隣にいるはずだと確認するが、つい先ほどまで潮風にブロンドの髪を靡かせていた女王の姿はなく、目を見張った。
「メアリ⁉」
思わず名前で呼んでしまったが、陛下と呼んで周りの者たちを驚かせずに済んだのは幸いだった。
しかし、イアンとセオは違う。
セオが急ぎ辺りに視線を走らせる中、彫刻家との話を終えたイアンが「どうした」と眉をしかめた。
「陛下は」
「申し訳ありません。いつの間にか姿がなく」
「何のための護衛だ」
「店の裏手にまわる陛下に似た後ろ姿を見ました。確かめてきます。セオ、悪いが念のためにお前は別の場所を」
「了解っス!」
イアンは急ぎメアリの捜索に向かう騎士ふたりの姿を目で追いながら溜め息を吐いた。
「本当に、メイナードによく似ていて困る」
今は亡き親友に振り回されていた若かりし頃を思い出しながら、イアンもまた捜索に加わるのだった。
メアリは今自分の隣にいるはずだと確認するが、つい先ほどまで潮風にブロンドの髪を靡かせていた女王の姿はなく、目を見張った。
「メアリ⁉」
思わず名前で呼んでしまったが、陛下と呼んで周りの者たちを驚かせずに済んだのは幸いだった。
しかし、イアンとセオは違う。
セオが急ぎ辺りに視線を走らせる中、彫刻家との話を終えたイアンが「どうした」と眉をしかめた。
「陛下は」
「申し訳ありません。いつの間にか姿がなく」
「何のための護衛だ」
「店の裏手にまわる陛下に似た後ろ姿を見ました。確かめてきます。セオ、悪いが念のためにお前は別の場所を」
「了解っス!」
イアンは急ぎメアリの捜索に向かう騎士ふたりの姿を目で追いながら溜め息を吐いた。
「本当に、メイナードによく似ていて困る」
今は亡き親友に振り回されていた若かりし頃を思い出しながら、イアンもまた捜索に加わるのだった。



