当日の夕食時。



「食事が喉を通りませぇん」


「それな」



凜くんとしゅうくんはちびちびと食べている。



「いやぁ、マジありがとな。本当にさいっこーだった。2人の乱入シーンは盛り上がったし、三三七拍子もカッコ良かった！心優しい後輩を持てて俺は幸せだ。これで心おきなく引退出来るよ。ありがとう凜、紫雄！」



赤井先輩が立ち上がり、拍手を送る。



「食事終わってからにしておくれ」


「あっ、すみません」



沼口さんに叱られ、しぶしぶ座る赤井先輩。


後輩の活躍と自分の有終の美が嬉しくて舞い上がってしまったんですよね。


そのくらい素晴らしいパフォーマンスだったなら、私も提案した甲斐があります。