打合せを始めると 絵里加と壮馬は 約束通り リビングの隅の おもちゃスペースでおとなしく遊んでいる。
 

今回も 深見さんは 何点かプレゼンボードを作って来てくれた。

やっぱりどれも 私達の好みに合っていて 選ぶのに苦労する。


ゴージャスになり過ぎず。

でも上品な備品の選択と 使い勝手を考えた配置。
 

「やっぱり、プロは違うね。俺達には 考え付かないよね。」

智くんと私は、顔を見合わせて言う。

だいたい決まった所で、深見さんは言う。
 


「提案なんですが、この機会に洗濯機を買い替えられたら いかがでしょうか。最新の物は、時間も消費電力も少なくてすみます。家族が増えたので 一回り大きい物に。」

深見さんの言葉に、智くんは苦笑する。
 

「麻有ちゃん 綺麗に使っていたから 忘れていたけれど 10年前の物だよね。よく動いていたね。」
 

「機械が、当たりだったのよ。」

私も笑ってしまう。
 

「奥様が、丁寧に使っているからですよ。」

深見さんも笑う。
 

「私、貧乏性だから。でも この部屋の家電製品に 私すごく助けられたの。当時の最新でしたよね。本当に 便利だったわ。」
 

全自動洗濯乾燥機は 朝、出勤前にセットしていけば 帰ってきた時には 洗濯が終わっていた。
 

ロボット掃除機のおかげで 床はいつも清潔だった。

だから 私達は フローリングに直接座って 寛げた。

キッチンは 食洗機のおかげで いつも綺麗に片付いていた。
 

「今の物は、性能も良くなっているので。今度の家は 洗面室が広いので もう一回り大きい洗濯機が 入りますから。」
 

「他の物も お勧めがあったら 交換して下さい。こういう機会じゃないと 思い切れないから。」智くんは笑う。