「それなら、美奈子だけで。」

私は、まだ遠慮する。

多分、お兄様達は 航空券まで全部負担するつもりだから。
 
「麻有ちゃん、いいじゃない。聞いてみようよ。絵里加のお祝いも兼ねて いい機会だからさ。」

智くんが言ってくれる。
 

「航空券の予約があるからさ、今聞いてくれる?」

やっぱり廣澤家は、動きが早い。


私は、その場で 母に電話をかける。
 
「あら、ハワイって。海でしょう。日焼け止は必要かしらね。」

母は、乗り気で。

妹は、お昼まで仕事なので 帰ったら連絡をするように伝えて 電話を切った。
 

「すみません、母は行く気満々です。」

私が言うと、みんなが笑う。
 

「フライト長いから、ビジネスクラスで予約したいんだ。子供達もいるしね。」