「そうだ、今日は 銀杏を見に行こうか。」
神宮の銀杏並木。黄色の絨毯は 今が見頃だろう。
智くんと二人で見た日を 私は思い出す。
「いちょうって、黄色いんだよ。」
絵里加が得意気に言う。
「壮君も知っているよ。三角だよ。」
銀杏を三角という子供の感性に、智くんと顔を見合わせて笑う。
「今日は、電車で行くよ。二人とも お利口に 電車に乗れるかな。」
智くんは子供の扱いが上手い。
「お利口にできるよ。絵里加が壮君のお手々 ちゃんと繋いであげるね。」
絵里加が言うと、壮馬は 素直に絵里加と手を繋ぐ。
「よーし。じゃあ おうちに帰ってご飯食べよう。みんなでママをお手伝いすると 早くお出かけできるよ。」
子供達も そして私も笑顔になってしまう。



