「絵里ちゃん、やったね。すごいよ。」
外に出て、私は絵里加に言う。
「絵里加も、すごく嬉しいよ。パパも、喜ぶね。」
絵里加は笑顔で言う。
「もちろんよ。お祖父ちゃま達も、喜んでくれるわよ。」
絵里加の手を取って歩く。
絵里加は、足取りも軽く弾んでいる。
「絵里加が言うまで、パパに言ったらダメだよ。」
すぐにでも 智くんに知らせたい 私の気持ちを 絵里加は察している。
「絵里ちゃんが、驚かせるのね。わかったわ。ママは言わないよ。」私は微笑む。
子供達がお風呂を済ませた頃、智くんは帰って来た。
玄関に出迎えた絵里加は パパに抱き付いて頬にキスをする。
最近、壮馬は出迎えるだけで キスはしない。
智くんは、笑顔で子供達の頭を撫でる。



