その後は、それぞれがお土産を買う為に しばらくフリーにして。
智くんと私も、職場やご近所 ママ友達に 少しお土産を買う。
「智くんに、プレゼント買いたいの。見てくれる?」
子供達の手を繋ぐ智くんに、私は言う。
「偶然。俺も、同じ事、思っていたよ。」
と智くんは、笑う。
先に、私からのプレゼントを見る。
それは、高級ボールペンのお店で。
結婚10周年と、廣澤工業でのスタートに 毎日使えるボールペンを考えていた。
「わあ。ここの、欲しかったんだ。本当に良いの?」
と、智くんは言う。私は、笑顔で頷く。
毎日、智くんの胸ポケットで 私の代わりに 鼓動を聞いてほしい。
それに、ヘソくりとは言え 元々は智くんが働いたお金。
私は、喜ぶ智くんに 胸がいっぱいになる。



