お風呂から出た私が コーヒーを淹れていると 智くんは 2階から下りてくる。
 
「ありがとう。お疲れ様。」

コーヒーを受け取った智くんは、
 
「色々、聞きたいでしょう。」

と私に笑いかけた。私も笑顔になる。
 

「帰ってきた時の智くん見て、大丈夫ってわかったから。」

だから、何も言わなくてもいいよ。

疲れているなら、ゆっくりして。

私は智くんを見つめた。
 


「さすが、麻有ちゃん。お見通しだね。最初は やっぱり緊張したけどね。大丈夫だと思う。やっていけそうだよ。」

智くんは、晴れ晴れした笑顔で言った。
 
「よかった。」私は 智くんを抱きしめた。

しばらく 黙って抱きしめていると、
 

「すごい。パワーがチャージされた気がする。なんだろう これ。」

智くんは、私の胸で言う。

私はじっと、智くんの頭を抱く。
 

「よし、交替だよ。今度は 麻有ちゃんにチャージしてあげる。」

智くんは、私の頭を胸に抱く。

智くんの鼓動を聞いていると、不思議と心が落ち着いていく。
 

「本当だ。何か私も チャージされた気がする。すごいね。」

私達は、声を上げて笑ってしまう。